プラントエンジニア、目指します!

知識も熱意もないけれどプラントエンジニアリング会社へ就職してしまったから頑張ってみるブログです。たまに息抜きの日記なども。本題と逆転しないよう注意せねば。

【出版禁止】 考察 その2

『出版禁止』は、長江俊和著の小説です。

数回にわたり、この小説の考察やら解説やらを書いていきます。

 

内容を知らない人のために、楽天ブックスの紹介文はこちら

(考察を読みたい!という方はすみません、毎回のことですがスクロールして下さい)

社会の暗部を暴き続ける、カリスマ・ドキュメンタリー作家の「心中事件」。相手は、有名女優の妻ではなく、不倫中の女だった。そして、女だけが生き残る。本当は、誰かに殺されたのではないか?「心中」の一部始終を記録したビデオが存在する。不穏な噂があったが、女は一切の取材に応じなかった。7年が経った。ひとりのルポライタが彼女のインタビューに成功し、記事を書き上げる。月刊誌での掲載予告。タイトルは「カミュの刺客」。しかし、そのルポは封印されたー。いったい、なぜ?伝説のカルト番組「放送禁止」創造者が書いた小説。

 

 

紹介はここまで!

今回は小説の起承転結で言うところの”転”について、、、

さらに言うならば、若橋の行動について考察したい(観察したい)と思います。

読まれる方によって、少し拍子抜けの内容かもしれませんが、宜しくお願いします。

一度取り上げておいた方が、後々楽になりそうな気がするのです。

 

 

!!!ここから先はネタバレしかありません!!!

(反転していません、スマホで読みずらいのでね、ご注意を)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆考察

ネタバレ宣言前であったため、大変まどろっこしい説明となりました。

要約すると「若橋が七緒(頭)と過ごした日々について、小説文中の面白い表現を追う」というスタンスの回です。

 

当然、この先微グロ注意ですよ!

準備は良いですか?心して下さいね!

 

2010年2月20日 午後9時

客間の襖を、静かに開く。

七緒はまだ、目を覚まさない。

七緒を殺したと思われる日の夜です。

七緒が寝ている客間は”襖”なんです。

 

2010年2月21日 午前8時

粥を煮ることにした。

冷蔵庫のドアを開け、ほうれん草や白菜などの野菜を…

 冷蔵庫の扉は”ドア”と呼んでいます。

 

午後3時

台所で、明日の夕食の下ごしらえをする。

午後8時

担当編集者にメールを送り…私の筆名は「若橋呉成」、彼女の仮名も「新藤七緒」とし、すでに送ってある原稿を、そのように修正してもらうよう記す。

つまり、午後3時に解体したものかと。

午前に粥を煮てから7時間経ち、昼過ぎ、気が触れてしまったのでしょうか…

脱線しますが、森角啓示の仮名に意味はない気がします。

修正してもらったのが文中のとおり若橋と七緒だけ、と考えるべきな気がします。

 

2010年2月22日

買い物を終えて、家に戻る。

台所に入りドアを開け、七緒に「今日の夕食は自分が作るから」と告げる。

スーパーのビニール袋から買ってきた豆腐を取り出して冷蔵庫に入れる。

 そう”ドア”を開けたのです。”襖”ではないのです。

冷蔵庫のドアを開け、七緒に告げ、そのまま食材を入れた。

怖いです。

 

この後の肉を調理し、食べるくだりは既知中の既知と思うため割愛

(さらに言うなら、グロ過ぎますもの)

 

だが七緒の箸は、一向に進まない。

やはり体調が優れないのだろうか?血色も良くない。心配である。

何を言うかと思えば。

 

2010年2月23日

海浜公園へ出かけるくだりです。

公園はいつもより賑わっていた…この前と同じ高台のベンチに、バッグを置いて座る。 

 出ました。生首入りのバッグをベンチに置いています。

公園には、飼い犬と老人、雑談する主婦、駆け回る子供達、という様子の中に、ベンチに座る生首と男です。

 

心地良いさざ波に、耳を傾ける。

ふと、私は視線を下ろし、七緒にある質問を投げかけた。

 「視線を地面に向けた」と読めるのですが、これは「バッグの中にいる七緒に視線を向けた」ですね。

ちなみに、ベンチに座ったところから若橋が立ち上がった描写はありません。

 

家に戻るとまた七緒の具合が悪くなった。海風が応えたのだろうか?

出かける前は、調子が良かったのだが。

七緒の顔を眺める…

…雪がちらついているのが見える。どうりで寒いわけだ。そっとドアを閉める。

おそらく腐敗が進行しているのでしょう。

そして冷蔵庫にしまい、眺めていたところで冷蔵庫のドアを閉めたのでしょう。

 

2010年2月24日

今日初めて、七緒と険悪な雰囲気になった…

…顔を背けたまま、頑として…

…そう諭しても、彼女はこちらを一瞥すらしない…

…強引に彼女をこちらに向き直らせ、なんとか病院に行くよう…

…無言で立ち上がり、足下の七緒をにらみつける。叩きつけるようにドアを閉め、家を飛び出した。

 

死後の腐敗が進んだのか、グラついて倒れてしまったのでしょうか?

足元の七緒、これは床にふせた七緒ではなく、冷蔵庫の中の七緒です。

叩きつけたのは”襖”ではなく、冷蔵庫の”ドア”です。

 

七緒は、出て行った時と同じ場所に伏していた。

だが、もう怒っているわけではないようだ。

すすり泣く声が、胸に響いた。

感情的に…思わず七緒の頭を抱き寄せ、自分の腕の中に埋める。

 同じ場所に伏していたのも、頭を抱き寄せたのも理解できます。

が、しかし、「すすり泣く声」が分からない…

 

一つ疑問なのですが、若橋は七緒を”冷蔵室”に保管したのでしょうか?

”冷凍室”でしょうか?

文章を読むと”冷蔵室”なのですが”冷凍室”の方が長持ちするのでは?

「足元の七緒」という表現も冷凍室な気がする

(もちろん低い位置に冷蔵室のある冷蔵庫もあるし、食材をしまったときは”冷蔵庫”と明記してある)

細かいですが「七緒に付いた氷が解けて滴っていた。ドアを叩き付けたものだから、冷蔵庫がしっかり閉まらなかったのでは?」と思ったのです。それが泣いているように見え、すすり泣きが聞こえたと感じた?

 

その夜、私たちは愛し合った。

でも…、どんなに愛し合っても、どんなに強く抱きしめても、見えなかった。

七緒の心までは…。

 もうわけがわかりません。

 

2010年2月26日

鳥のさえずりで目が覚める。

座敷に面した庭の松の木に、つぐみなどの野鳥が数羽、集まってきている…

溜まった生ゴミをポリバケツに入れる。

室内の空気が、多少籠もってきている。この前、スーパーで買った消臭芳香剤をスプレーする…

そっとドアを開け、彼女の様子をうかがう。

日に日に、彼女の状態は悪化している。

 調べてわからなかったのですが、つぐみは雑食?

生ゴミはポリバケツなんて入れません。ゴミ袋行きが多いのでは?

つまり普通に捨てられないゴミということかと。

空気が籠ったら換気が普通と思いますが、たぶん相当な匂いだったのでしょう。

 

22日(4日前)に消臭芳香剤など購入しているあたり、若橋は常軌を逸していますが、その割に先を予想するだけの判断力はあった。

若橋のこの性質は、たぶん、とても重要なヒントなのだと思います。

 

2010年3月4日

話は飛んで心中する前日

頑丈な木製の扉を開いて、七緒と山荘の中に入った…

…中央の藤のソファにバッグを置いて、七緒の様子をうかがう。

彼女は物静かに、室内を見上げていた。

説明不要と思いますが、ソファに置かれたバッグの中から七緒は室内を見上げていたのでしょう。

 後にビデオの試し撮りをします。長江さんがビデオで見たシーンですね。

そのときは「ソファにいる七緒にレンズを向ける」と明記あります。

 

午後5時をまわった。

気温が急激に低下してきた。薪ストーブを点け、暖をとりたい誘惑にかられる。我慢して、もう一枚セーターを着てしのぐことにする。

 部屋を暖めたくなかったのでしょう。

それほど七緒の腐敗は進行していたと思われる。

 

 

はい。今回は以上です。

特に新しい発見なかった方もいるかと。

理解に苦しむ箇所は多々あります。

上記にない作中で、七緒と若橋が話しているなどが特にわからない。

 

細かく見ていくと、カモフラージュされている、しかしずばり事実を書いている。

これがこの小説の面白いところですね。

次回も考察を続けていきたいと思います。